強すぎる彼女と優しすぎる彼
「ちょっ・・・えっ?」
混乱する佳子に龍仁は穏やかな笑顔を向けながらその箱を開ける。
そこにはサイズの合わなかった佳子が気に入っていた指輪が入っていた。
「俺の佳子の観察力なめんなよ?」
と笑いながら龍仁が佳子の指にその指輪をはめる。

その指輪は佳子の指にぴったりとはまった。

「なんで?」
まだ状況が分かっていない佳子。
「これなら佳子が気に入ってくれるんじゃないかと思ってもうオーダーメイドしてたんだ。黙っててごめん」
「嘘」
「本当だよ。あーどきどきした!気に入らなかったらとか、サイズあわなかったらとか吐きそうだった。正直。」
そう言って笑う龍仁とはうってかわって佳子は顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
< 42 / 198 >

この作品をシェア

pagetop