強すぎる彼女と優しすぎる彼
裏方としてハーブをひたすらキルトに詰める作業をしていた龍仁と佳子は全身にハーブの香りがついていた。
ホテルに着くとすぐに佳子と龍仁はシャワーを浴びた。
佳子が先に髪を乾かし部屋に戻り、次に龍仁が髪を乾かして部屋へ戻ると佳子が何とも言えない表情で昨日渡したばかりの婚約指輪を見ていた。

「やっぱり、仕事辞められないと思った?」
龍仁の声に佳子ははっとして振り返る。
「うんん。」
佳子の笑顔に元気がない。
「本当に?」
「・・・ちょっとだけね。でももう決めたから。最後の企画。そう考えると、自分で自分にプレッシャーかけちゃって・・・。」
「北海道の支社で一緒に働けるようにかけあってみるか」
龍仁の言葉にも佳子は首を横に振った。
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