強すぎる彼女と優しすぎる彼
龍仁に手招きされ近くへ来た佳子が話始める。
「紺野課長なんだけどさ」
「司?」
「うん」
「桃にプロポーズしたらしい」
「そっか。とうとう決心したか。」
桃の親友である佳子が自分のことのように桃のことで一喜一憂してきたことを龍仁は知っている。そんな佳子が浮かない表情をしていることに龍仁は不思議がっている。
「どうした?」
「独立の話」
「あきらめたって言ってたぞ?」
「あきらめた?」
「うん」
「・・・・そう」
着替え終わった龍仁が佳子の手を引いてベッドに座らせ、自分も座った。
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