強すぎる彼女と優しすぎる彼

「言わないとわからないこともあるぞ。」
龍仁はこういう時とことん佳子が話をするまで待つ。
佳子は龍仁の顔を見ると、少し困ったような顔で龍仁が見ていた。

「北海道のこと。」
「俺のこと？」
佳子がうなずく。
「龍仁の口から一番に聞きたかった。」
「ごめん」
「でもそれ以上に」
「うん」
言いにくくて言葉を止めた佳子の頭を龍仁が優しくなでる。
「それ以上に、私のせいで北海道に行かないこと考えてるって知った時の方がもっと悲しかった。」
「・・・うん」
「桃も同じだって、私にはわかる。」
「うん」