強すぎる彼女と優しすぎる彼
佳子は最後のプレゼンに向けての追い込み作業に入っていた。
毎日帰宅をするのは深夜を回っている。終電を逃して龍仁に迎えに来てもらうことも続いていた。
今までならば龍仁がストップをかけるようなストイックさでも今回ばかりは佳子を止めない。最後のプレゼンに向けて後悔してほしくない龍仁は精一杯のサポートをした。

佳子が帰宅すると簡単に食べられる栄養価の高い食事が用意されていて、お風呂上りには髪まで乾かしてくれる。朝も一緒に早起きをして簡単に食べられる朝食の支度までしてくれた。掃除も洗濯も最近は佳子よりも先回りして行ってくれている。

「いつもありがとう」
佳子は心から龍仁に感謝して準備に追われた。

そして見事に最終プレゼンに残った佳子は眠れないまま朝を迎えた。
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