強すぎる彼女と優しすぎる彼
「どんな思いをして頑張って、踏ん張ってきたのか知ってるからこそ、簡単には奪えないよな~。」
「しかも足元不安定すぎるだろ?奪うにしても」
二人は無言のまま水で乾杯をした。

人生うまくいかない。

龍仁は佳子をはやく自分のものにしたかった。

結婚してもっと一緒の時間をもちたいと思っていた。

二人の時間を少し満喫したら子供もほしい。


でも佳子をずっと見てきたからこそ北海道に転勤になる自分にすべてを捨ててついてきてほしいとは言えなかった。

佳子や自分たちのしている仕事はワンマンでは行えない。今のチームも紆余曲折あった。そこを佳子が主任として必死にまとめて、やっとチームとしての力がついてきたところだった。
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