強すぎる彼女と優しすぎる彼
親友との別れ
「もう!ばか!」
久しぶりにあった桃の顔を見るなり佳子は怒鳴った。その目は涙目になっている。桃の仕事復帰前日に佳子たちは居酒屋で待ち合わせをしていた。

「ごめん」
「大丈夫なの?」
「うん。抜糸も済んだから絆創膏はってるくらい。」
「でも大丈夫そうに見えない。」
佳子は桃の目をまっすぐに見る。
「いろいろあって・・・」
けがが治ったばかりの桃は佳子の静止を聞かずにお酒をどんどんと飲んだ。

「私は司さんが大好きでずっと見てきたの。仕事をする司さんがどんなに才能があるか。でもその才能は司さんがこつこつと努力してきた成果なの。どれだけのことを我慢してどれだけの想いで築いてきたか私にはわかる。」
泣きながら話す桃に佳子は気づかれないように涙を拭いた。
桃の気持ちが痛いほどわかる。
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