強すぎる彼女と優しすぎる彼
佳子は北海道から自分だけ戻ることを言われるんじゃないかと思うと怖かった。
「違う。佳子。俺はもう離れるって選択肢はないと思ってる。」
龍仁の言葉に佳子は思っていたことと違っていて首を傾げた。
「寂しいよな。今までいたところがすごく遠く感じてさ。知ってる人ほとんどいないし。」
「?」
「こうやってちゃんと言ってくれないか?」
龍仁は優しく微笑んでいる。

「我慢しないで、大丈夫な振りしないで、一人で景色見てないでさ。寂しいとか帰りたいとかチームが懐かしいとか気になるとか。桜木さんに会いたいとか。一緒に景色見ようとか。俺に言ってくれないか?」
「?」
「遠慮したり、我慢したりされるのが俺一番こたえる。だから俺の前で佳子が泣くのはいいんだよ。むしろそうしてくれたほうがいいんだ。」
龍仁は佳子を抱きしめた。
「なんのために俺がいるんだよ。一緒にいることに意味があるんだから。意味を持たせてくれよ」
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