強すぎる彼女と優しすぎる彼
なにかうまくいかないことがあると佳子はたくさん飲んでたくさん食べる。そうして記憶がなくなるくらい酔っぱらうと最終的に龍仁が介抱してくれる。

会社の飲み会では予防線を張って絶対にそんな姿を見せない佳子が自分の前でだけ見せるそんな姿は龍仁にとって愛しい姿だった。

佳子はほとんど話をせず、どんどんとお酒を飲んでいく。
「佳子、ちょっとは食べながら飲まないと。」
そんな龍仁の声には耳を貸さない。

龍仁はそんな佳子を心配そうに見ていた。


案の定、いつもよりもはやいペースで酔いつぶれた佳子は机に突っ伏して眠ってしまった。

龍仁は会計を済ませると佳子をおんぶしてタクシーに乗り込んだ。



自分が北海道に行って、佳子を残していったら・・・。
自分が離れた後の佳子が心配でたまらない。きっと佳子は一人で抱え込む。一人で飲んで、一人でがむしゃらに頑張る。誰が息抜きできる？だれがストップかけられる？
佳子は強そうに見えて実はいつだって壊れそうなくらい自分を追い詰める。

「お前、壊れちゃうぞ？」
龍仁は佳子の頬を撫でながらそうつぶやいた。
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