強すぎる彼女と優しすぎる彼
「おかえり。どこ行ってたんだよ。」
夕方佳子が帰宅すると佳子よりも先に龍仁が帰宅していた。
「ごめん。」
何となく佳子の元気がない。具合が悪いからか?そんなことを考えながら龍仁は佳子からカバンを預かりソファに座らせた。
「どこに行ってたんだ?」
「うん。ちょっとね。」
佳子が言葉を濁すことは珍しい。
「病院か?」
「んーまぁね」
「なんだって?」
「風邪かな」
「そっか。薬は?」
「うん。」
「言ってくれたら送っていったのに。」
佳子はもう一度龍仁にごめんねと告げて寝室へ向かった。
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