My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「……コウモリ?」
呟くと、思わず広げた手のひらにそいつはちょこんと降り立った。
そして私を見上げて「ぶ」と鼻を鳴らした。
「えっと、」
見た目とても可愛らしいこの蝙蝠もどきに、一体何ができるのだろうか。
ものすごく不安になった私の頭上から再び声が降ってくる。
「ブゥ、頼んだぞ」
その声に答えるようにもう一度「ぶ」と鼻を鳴らす蝙蝠もどき。
声の主は去ってしまったのかそれきり何も言わなかった。
「お前、ブゥって言うの?」
「ぶ」
……一応、こちらの言葉は理解しているようだ。
この「ブゥ」に何が出来るのかさっぱり予想がつかないけれど、とりあえずこの密閉された部屋で話せる相手が出来たことは嬉しかった。
「よろしくね、ブゥ」
そう笑いかけたときだ。
ガチャンと扉の鍵が開く音がして私はびくりと身を固くする。
開いた扉の向こうには私をここまで連れてきた兵士の一人が立っていた。
「尋問室へ移……」
だがその兵士の目がブゥを発見して大きく見開かれる。
「モンスター!?」
「え?」
この子には全然似つかわしくない物騒な単語に私の方が驚く。
視線を下ろすがもう手の中にブゥはいなかった。
「ぎゃぁ!」
直後聞こえた兵士の叫び声に視線を戻すと、腰の剣に手を掛けた兵士の顔面にブゥが張り付いていた。
そのまま後ろに倒れていく兵士。どさっという音と同時ブゥが顔から離れ飛び立った。
恐る恐る近づいて見下ろすと、兵士の顔にはまるではんこを押されたように豚鼻の形の跡がくっきりと残っていた。
瞬間死んでしまったのかと思いドキドキしたが目を回しているだけで息はしているようだ。
「お前、すごいのね」
呆気にとられたように言うとブゥは私の肩に留まり得意げに「ぶ」と鼻を鳴らしたのだった。
呟くと、思わず広げた手のひらにそいつはちょこんと降り立った。
そして私を見上げて「ぶ」と鼻を鳴らした。
「えっと、」
見た目とても可愛らしいこの蝙蝠もどきに、一体何ができるのだろうか。
ものすごく不安になった私の頭上から再び声が降ってくる。
「ブゥ、頼んだぞ」
その声に答えるようにもう一度「ぶ」と鼻を鳴らす蝙蝠もどき。
声の主は去ってしまったのかそれきり何も言わなかった。
「お前、ブゥって言うの?」
「ぶ」
……一応、こちらの言葉は理解しているようだ。
この「ブゥ」に何が出来るのかさっぱり予想がつかないけれど、とりあえずこの密閉された部屋で話せる相手が出来たことは嬉しかった。
「よろしくね、ブゥ」
そう笑いかけたときだ。
ガチャンと扉の鍵が開く音がして私はびくりと身を固くする。
開いた扉の向こうには私をここまで連れてきた兵士の一人が立っていた。
「尋問室へ移……」
だがその兵士の目がブゥを発見して大きく見開かれる。
「モンスター!?」
「え?」
この子には全然似つかわしくない物騒な単語に私の方が驚く。
視線を下ろすがもう手の中にブゥはいなかった。
「ぎゃぁ!」
直後聞こえた兵士の叫び声に視線を戻すと、腰の剣に手を掛けた兵士の顔面にブゥが張り付いていた。
そのまま後ろに倒れていく兵士。どさっという音と同時ブゥが顔から離れ飛び立った。
恐る恐る近づいて見下ろすと、兵士の顔にはまるではんこを押されたように豚鼻の形の跡がくっきりと残っていた。
瞬間死んでしまったのかと思いドキドキしたが目を回しているだけで息はしているようだ。
「お前、すごいのね」
呆気にとられたように言うとブゥは私の肩に留まり得意げに「ぶ」と鼻を鳴らしたのだった。