My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
その後もブゥは驚くほどに活躍してくれた。
地下牢を抜け出した私たちは当然見張りの兵士たちにすぐに気付かれた。
だがその兵士たちは今、身体のどこかに豚鼻の跡を付けて昏倒している。
先ほど兵士はブゥのことを「モンスター」と言った。
可愛い姿からは想像できない脅威。それを「化け物」と呼ぶのなら確かに納得せざるを得ない。次々に倒されていく兵士を見て少なからず恐怖を感じてしまったのも事実だ。
その「モンスター」を“相棒”と言った先ほどの声の主。
(どういう人だろ……)
出口を求め階段を上りながら、思わず怖い想像になってしまい私は頭を振る。
あの優しそうなエルネストさんの知り合いだ。そんなに怖い人ではないだろう……と願いたい。
思いのほか早く出口らしき扉を見つけ、この建物が複雑な構造でなくて良かったとホッとする。
扉を開けて外の空気を感じた、次の瞬間。
「!!」
私はその扉に手を掛けたまま、地べたにへたり込んでしまった。
目の前に十数人の兵士たち。――私たちは完全に包囲されていた。
地下牢を抜け出した私たちは当然見張りの兵士たちにすぐに気付かれた。
だがその兵士たちは今、身体のどこかに豚鼻の跡を付けて昏倒している。
先ほど兵士はブゥのことを「モンスター」と言った。
可愛い姿からは想像できない脅威。それを「化け物」と呼ぶのなら確かに納得せざるを得ない。次々に倒されていく兵士を見て少なからず恐怖を感じてしまったのも事実だ。
その「モンスター」を“相棒”と言った先ほどの声の主。
(どういう人だろ……)
出口を求め階段を上りながら、思わず怖い想像になってしまい私は頭を振る。
あの優しそうなエルネストさんの知り合いだ。そんなに怖い人ではないだろう……と願いたい。
思いのほか早く出口らしき扉を見つけ、この建物が複雑な構造でなくて良かったとホッとする。
扉を開けて外の空気を感じた、次の瞬間。
「!!」
私はその扉に手を掛けたまま、地べたにへたり込んでしまった。
目の前に十数人の兵士たち。――私たちは完全に包囲されていた。