My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
一斉にギラリと光る剣先を向けられ体がガクガクと震える。
流石のブゥも私の頭上をふわふわと浮いたまま動こうとはしなかった。
「逃げてどうするつもりだ」
兵士の中の一人が前に出て厳しい声音で訊く。そのすぐ後ろでは松明を持った兵士が私の顔を照らしていた。
「そのモンスターをどうやって城内に侵入させた」
二度目の質問にも私は答えられなかった。
あまりの恐怖に声が出ない。
ただ震えるだけの私を見てその兵士は呆れたようなため息を吐いた。
「仲間がいるかもしれん。探せ」
背後にいた兵士数人がすぐに動く。そのときだ。
「風を此処に!!」
どこからかそんな鋭い声が上がり、途端凄まじい突風が私達を襲った。
悲鳴を上げる暇もなかった。目を開けることさえ出来ない。
でも今の今まで死の恐怖を間近に感じていたからか、さほど驚きは無かった。
そんな中兵士たちの酷く動揺したような声が耳に入ってくる。
「魔導術!?」
「なぜ魔導術士が……!」
――まどうじゅつ?
聞きなれない単語に眉を寄せたその時、ぐんと腕を引っ張られた。
「走るぞ」
無理やりに立たされる格好になった私は聞き覚えのある声にハっとする。
牢屋で聞いたあの声だ。
流石のブゥも私の頭上をふわふわと浮いたまま動こうとはしなかった。
「逃げてどうするつもりだ」
兵士の中の一人が前に出て厳しい声音で訊く。そのすぐ後ろでは松明を持った兵士が私の顔を照らしていた。
「そのモンスターをどうやって城内に侵入させた」
二度目の質問にも私は答えられなかった。
あまりの恐怖に声が出ない。
ただ震えるだけの私を見てその兵士は呆れたようなため息を吐いた。
「仲間がいるかもしれん。探せ」
背後にいた兵士数人がすぐに動く。そのときだ。
「風を此処に!!」
どこからかそんな鋭い声が上がり、途端凄まじい突風が私達を襲った。
悲鳴を上げる暇もなかった。目を開けることさえ出来ない。
でも今の今まで死の恐怖を間近に感じていたからか、さほど驚きは無かった。
そんな中兵士たちの酷く動揺したような声が耳に入ってくる。
「魔導術!?」
「なぜ魔導術士が……!」
――まどうじゅつ?
聞きなれない単語に眉を寄せたその時、ぐんと腕を引っ張られた。
「走るぞ」
無理やりに立たされる格好になった私は聞き覚えのある声にハっとする。
牢屋で聞いたあの声だ。