My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「何でもいい! とにかく歌ってみろ!」
「こんなときに歌なんて……」
いつも気が付けば何かしらのメロディーを口ずさんでしまっている程歌うことは好きだけれど、今は状況が状況だ。
歌なんて歌えるわけが――。
「早くしろ!」
すでに敵は目前。
私たちは追い込まれるようにいつの間にか城壁を背にしていた。
――この城壁を越える事が出来れば。
今、空を飛ぶ事が出来れば……。
その時ふと視界に入ったのは、ブゥの小さな翼。
そう。あんなふうに自分にも翼があれば。
兵士たちに再び囲まれるのと、私の口から小さな歌声が漏れたのは同時だった。
「こんなときに歌なんて……」
いつも気が付けば何かしらのメロディーを口ずさんでしまっている程歌うことは好きだけれど、今は状況が状況だ。
歌なんて歌えるわけが――。
「早くしろ!」
すでに敵は目前。
私たちは追い込まれるようにいつの間にか城壁を背にしていた。
――この城壁を越える事が出来れば。
今、空を飛ぶ事が出来れば……。
その時ふと視界に入ったのは、ブゥの小さな翼。
そう。あんなふうに自分にも翼があれば。
兵士たちに再び囲まれるのと、私の口から小さな歌声が漏れたのは同時だった。