My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
(さっきの子と同じ人物ってこと!?)
私は少年と同じ、青い瞳をした彼に訊く。
「で、でも、……じゃあブゥは? どこに行っちゃったの!?」
少年が相棒だと言っていたブゥ。
近くを見回すが姿がない。
少年と彼が同一人物だというなら、ブゥがいないのはおかしい。
「ブゥならもう寝てる。こいつは夜行性だからな」
そう言って彼は自分の結んだ後ろ髪をむんずと掴み上げ私に見せた。
丁度結び目の辺りに翼で自分の体を包むようにして器用に逆さ吊りになったブゥがいた。
目を閉じ、そのブタ鼻が規則正しく動いている。……どうやら本当にお休み中のようだ。
「オレの名前はラグ。アンタは?」
急に訊かれ、まだ混乱中の頭で小さく「華音」とだけ答える。
「ならカノン、立ち止まっているヒマはない。さっさと進むぞ」
「ど、どこに行くの?」
すでに歩き始めてしまったラグの後を慌てて追いながら訊ねる。
「とりあえずはこの山を越える」
「そうだ。ねぇ、なんで私たち助かったの? あんなに高い所から落ちたのに」
「風に助けてもらった」
「はぁ……。でもそんなの出来るなら初めから言ってくれれば良かったのに」
「ガキの姿じゃ術は使えねぇんだよ! あん時はマジで危なかったんだからな!」
また怒鳴られてしまい私は首をすくめる。
私は少年と同じ、青い瞳をした彼に訊く。
「で、でも、……じゃあブゥは? どこに行っちゃったの!?」
少年が相棒だと言っていたブゥ。
近くを見回すが姿がない。
少年と彼が同一人物だというなら、ブゥがいないのはおかしい。
「ブゥならもう寝てる。こいつは夜行性だからな」
そう言って彼は自分の結んだ後ろ髪をむんずと掴み上げ私に見せた。
丁度結び目の辺りに翼で自分の体を包むようにして器用に逆さ吊りになったブゥがいた。
目を閉じ、そのブタ鼻が規則正しく動いている。……どうやら本当にお休み中のようだ。
「オレの名前はラグ。アンタは?」
急に訊かれ、まだ混乱中の頭で小さく「華音」とだけ答える。
「ならカノン、立ち止まっているヒマはない。さっさと進むぞ」
「ど、どこに行くの?」
すでに歩き始めてしまったラグの後を慌てて追いながら訊ねる。
「とりあえずはこの山を越える」
「そうだ。ねぇ、なんで私たち助かったの? あんなに高い所から落ちたのに」
「風に助けてもらった」
「はぁ……。でもそんなの出来るなら初めから言ってくれれば良かったのに」
「ガキの姿じゃ術は使えねぇんだよ! あん時はマジで危なかったんだからな!」
また怒鳴られてしまい私は首をすくめる。