My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
今の私にはどこかの王子様よりもその銀のセイレーンの方が気になった。
他人事には思えない。
「そ、その時の銀のセイレーンはどうなったの?」
嫌な予感を覚えながらも訊く。
「死んだ。……捕まって処刑された」
半ば予想できていた事とは言え、身体中の血の気が引いていくのを感じた。
昨夜自分がそうなっていたかもしれないと思うと震えとともに嫌な汗が出てきた。
その人も、私と同じ世界から来たのだろうか。
どうしてその国を滅ぼそうとなんてしたのだろうか。
答えの出ない疑問ばかりが浮かんでくる。
と、ラグが私に疑わしげな視線を向けているのに気が付いた。
「お前、本当に銀のセイレーンなのか?」
「私の方が訊きたいよ!」
思わず叫ぶと、真上でバササッと鳥が飛び立つ音が聞こえた。
「ま、一応歌が使えんだ。セイレーンに間違いはないようだけどな」
「セイレーン?」
「“歌”を使う術士のことだ」
歌を「使う」という言葉にはどうも抵抗がある。
でも確かに昨夜私は歌を歌い、宙を飛ぶ事が出来た。
「ラグは違うの? その、……魔導術?」
「全然違う。術は万物の力を借りて使う。セイレーンは自分の力を歌にして使うんだからな」
わかったような、わからないような……。
そんな空気が伝わってしまったのか、ラグは呆れたように息を吐きながら立ち上がった。
「さて、そろそろ進むか。日が暮れないうちにセデに着きたいからな」
「うん。……あ、そうだ。ラグって何で私を助けてくれるの?」
他人事には思えない。
「そ、その時の銀のセイレーンはどうなったの?」
嫌な予感を覚えながらも訊く。
「死んだ。……捕まって処刑された」
半ば予想できていた事とは言え、身体中の血の気が引いていくのを感じた。
昨夜自分がそうなっていたかもしれないと思うと震えとともに嫌な汗が出てきた。
その人も、私と同じ世界から来たのだろうか。
どうしてその国を滅ぼそうとなんてしたのだろうか。
答えの出ない疑問ばかりが浮かんでくる。
と、ラグが私に疑わしげな視線を向けているのに気が付いた。
「お前、本当に銀のセイレーンなのか?」
「私の方が訊きたいよ!」
思わず叫ぶと、真上でバササッと鳥が飛び立つ音が聞こえた。
「ま、一応歌が使えんだ。セイレーンに間違いはないようだけどな」
「セイレーン?」
「“歌”を使う術士のことだ」
歌を「使う」という言葉にはどうも抵抗がある。
でも確かに昨夜私は歌を歌い、宙を飛ぶ事が出来た。
「ラグは違うの? その、……魔導術?」
「全然違う。術は万物の力を借りて使う。セイレーンは自分の力を歌にして使うんだからな」
わかったような、わからないような……。
そんな空気が伝わってしまったのか、ラグは呆れたように息を吐きながら立ち上がった。
「さて、そろそろ進むか。日が暮れないうちにセデに着きたいからな」
「うん。……あ、そうだ。ラグって何で私を助けてくれるの?」