My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「わっ」
途端身を屈めたラグに引っ張られるようにして私もその場にしゃがみ込んだ。
そして彼はそこら中に張り巡らされた木の根に手を触れた。
「すまない。少し力を貸してくれ」
こんな声も出せたんだと思うくらいに、優しい声音。
根に向かって言っているようにしか見えないが……きっとその通りなのだろう。
(もしかして、魔導術?)
と、こちらが体制を低くしたのを観念したと見たのか、モンスターたちが一斉に飛び掛ってきた!
「!!」
ぎゅっと目を瞑ると同時、鋭い声が響いた。
「水を此処に!!」
その直後。
――ザァァアアア!!
そんな水音に驚き開いた目に飛び込んできたのは、私達を取り巻くようにして立った高波のような水柱。
その巨波は木のてっぺんをも超え、みるみる空に向かって聳えていく。
私はそれを見上げ唖然とする。
すでに何匹かのモンスターはその波に飲み込まれるように空へと放り出されていった。
視線を落とすと出遅れたモンスターたちが悔しげに後ずさりしていくのが水壁の向こうに歪んで見えた。
更にはその水柱が徐々に放射状に広がり残ったモンスターたちを襲っていく。そして。
ザッパアァーン!!
そんな轟音とともにモンスターたちは一匹残らず掻き消えてしまった。
口をあんぐりと開けた私の前には、まるで嵐の後のようにびしょ濡れになった山の姿が広がっていた。
頭上の木の葉からは小雨のようにぽつぽつと雫が降ってくる。
と、ラグがゆっくりと立ち上がった。
でも服を掴んだままの私は少し腕を持ち上げられただけだった。
「ちっ、またこの姿か……」
毒づくラグ。
そう。魔導術を使ったラグは再び子供の姿に変化してしまったのだった。
途端身を屈めたラグに引っ張られるようにして私もその場にしゃがみ込んだ。
そして彼はそこら中に張り巡らされた木の根に手を触れた。
「すまない。少し力を貸してくれ」
こんな声も出せたんだと思うくらいに、優しい声音。
根に向かって言っているようにしか見えないが……きっとその通りなのだろう。
(もしかして、魔導術?)
と、こちらが体制を低くしたのを観念したと見たのか、モンスターたちが一斉に飛び掛ってきた!
「!!」
ぎゅっと目を瞑ると同時、鋭い声が響いた。
「水を此処に!!」
その直後。
――ザァァアアア!!
そんな水音に驚き開いた目に飛び込んできたのは、私達を取り巻くようにして立った高波のような水柱。
その巨波は木のてっぺんをも超え、みるみる空に向かって聳えていく。
私はそれを見上げ唖然とする。
すでに何匹かのモンスターはその波に飲み込まれるように空へと放り出されていった。
視線を落とすと出遅れたモンスターたちが悔しげに後ずさりしていくのが水壁の向こうに歪んで見えた。
更にはその水柱が徐々に放射状に広がり残ったモンスターたちを襲っていく。そして。
ザッパアァーン!!
そんな轟音とともにモンスターたちは一匹残らず掻き消えてしまった。
口をあんぐりと開けた私の前には、まるで嵐の後のようにびしょ濡れになった山の姿が広がっていた。
頭上の木の葉からは小雨のようにぽつぽつと雫が降ってくる。
と、ラグがゆっくりと立ち上がった。
でも服を掴んだままの私は少し腕を持ち上げられただけだった。
「ちっ、またこの姿か……」
毒づくラグ。
そう。魔導術を使ったラグは再び子供の姿に変化してしまったのだった。