My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
今までの人生で家族以外の異性と同室でしかも二人きりで寝たことなど一度もない私は妙な焦りを感じた。
(で、でも別々の部屋がいいなんて言える立場じゃないし……って、私何考えてるの!?)
そうだ。彼は昨日から何度も助けてくれた、いわば恩人だ。
その彼を変に意識するなんて、自意識過剰もいいところだ。
2部屋取ったら倍のお金が掛かるのだろうし、何があるかわからないこの世界ですぐ側に居てくれるのは寧ろありがたいくらいだ。
(そ、そうだ! 子供の方のラグが本物だと思おう!)
私はそう思い込むことに決め、ラグの後に続き部屋へ入った。
「ブゥ、もういいぞ」
私がドアを閉めると後ろでラグの声がした。
(あ、そっか。ブゥがいたんだっけ)
すっかり彼の存在を忘れてしまっていた。……なんだかもの凄く恥ずかしい。
と、ブゥがふわふわとこちらに飛んできて、私の頭に舞い降りた。
重さは全く感じない。微かに髪の毛から動きが伝わってくるくらいだ。
「お疲れ様。ずっとポケットの中で疲れたでしょ?」
なんだか懐いてくれたようで嬉しくなった私は目線だけ上を向いて話しかける。
ブゥは「ぶ」と一言答えてくれた。「そんなことないよ」とか言っているのだろうか。
その時ラグが驚いたような顔でこちらを見ていることに気付いた。
(で、でも別々の部屋がいいなんて言える立場じゃないし……って、私何考えてるの!?)
そうだ。彼は昨日から何度も助けてくれた、いわば恩人だ。
その彼を変に意識するなんて、自意識過剰もいいところだ。
2部屋取ったら倍のお金が掛かるのだろうし、何があるかわからないこの世界ですぐ側に居てくれるのは寧ろありがたいくらいだ。
(そ、そうだ! 子供の方のラグが本物だと思おう!)
私はそう思い込むことに決め、ラグの後に続き部屋へ入った。
「ブゥ、もういいぞ」
私がドアを閉めると後ろでラグの声がした。
(あ、そっか。ブゥがいたんだっけ)
すっかり彼の存在を忘れてしまっていた。……なんだかもの凄く恥ずかしい。
と、ブゥがふわふわとこちらに飛んできて、私の頭に舞い降りた。
重さは全く感じない。微かに髪の毛から動きが伝わってくるくらいだ。
「お疲れ様。ずっとポケットの中で疲れたでしょ?」
なんだか懐いてくれたようで嬉しくなった私は目線だけ上を向いて話しかける。
ブゥは「ぶ」と一言答えてくれた。「そんなことないよ」とか言っているのだろうか。
その時ラグが驚いたような顔でこちらを見ていることに気付いた。