My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「あ、はい。大丈夫です!」
微笑む彼。
その笑顔はやっぱりとても素敵で胸がほわっとあたたかくなった。
「僕には君を見守ることしか出来ないけど……。カノン、君ならここまで辿り着けると信じているよ。彼と、一緒にね」
そう言ってラグの方に視線を向ける。
ラグはまだ彼のことを鋭い目で睨んでいる。
「あの! なんで私が銀のセイレーンなんですか!? ……なんで私なんですか?」
私はずっと疑問だったことを訊く。
私がこの世界に来たのは偶然のことだったのか、それとも……。
と、まるで祈るようにエルネストさんは目蓋を閉じた。
「僕はずっと銀のセイレーンを呼んでいた。そうして、君がここに現れたんだ」
彼は目を開きもう一度私を見つめた。
その言葉は私の本当に欲しかった答えにはなっていなかったけれど、それでも私の心にスっと入り込んで、それ以上は何も訊けなかった。
――私を見つめるその瞳に一瞬憂いの色が混じって見えたのは、私の気のせいだったろうか……?
「さて、そろそろ時間かな。……ラグ、そんな顔ばかりして、あまりカノンを怖がらせないようにね」
「うるせぇ!」
今まで彼の言うとおりに黙っていたラグが溜まりかねた様に怒鳴り声を上げた。
「消えるんならさっさと消えろ!」
そんな酷い罵声にもエルネストさんは顔色一つ変えず、にっこりと笑うとそのまま本当に消えてしまった。
微笑む彼。
その笑顔はやっぱりとても素敵で胸がほわっとあたたかくなった。
「僕には君を見守ることしか出来ないけど……。カノン、君ならここまで辿り着けると信じているよ。彼と、一緒にね」
そう言ってラグの方に視線を向ける。
ラグはまだ彼のことを鋭い目で睨んでいる。
「あの! なんで私が銀のセイレーンなんですか!? ……なんで私なんですか?」
私はずっと疑問だったことを訊く。
私がこの世界に来たのは偶然のことだったのか、それとも……。
と、まるで祈るようにエルネストさんは目蓋を閉じた。
「僕はずっと銀のセイレーンを呼んでいた。そうして、君がここに現れたんだ」
彼は目を開きもう一度私を見つめた。
その言葉は私の本当に欲しかった答えにはなっていなかったけれど、それでも私の心にスっと入り込んで、それ以上は何も訊けなかった。
――私を見つめるその瞳に一瞬憂いの色が混じって見えたのは、私の気のせいだったろうか……?
「さて、そろそろ時間かな。……ラグ、そんな顔ばかりして、あまりカノンを怖がらせないようにね」
「うるせぇ!」
今まで彼の言うとおりに黙っていたラグが溜まりかねた様に怒鳴り声を上げた。
「消えるんならさっさと消えろ!」
そんな酷い罵声にもエルネストさんは顔色一つ変えず、にっこりと笑うとそのまま本当に消えてしまった。