My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「あ、ありがとう」
「簡単な治癒くらいは自分で出来るようにしとけよ」
立ち上がり向こうのベッドに戻りながらラグが言う。
そんなこと出来るかどうかわからなかったけれど私は曖昧に頷き、思い切って訊くことにした。
「ねぇ、ラグ」
「あ?」
「あの、エルネストさんのこと……なんだけど」
ベッドに仰向けになったラグに尻すぼみになりながら言う。
「あの金髪野郎、エルネストっていいやがるのか」
天井を睨みながら憎々しげに呟くラグ。
しかし声が高い分やはり迫力に欠けた。……本人には絶対に言えないけれど。
「ひょっとして、ラグのその呪いって」
「あの野郎にかけられたようなもんだ」
(やっぱり……!)
先ほどの二人の会話から薄々そうじゃないかと思ったけれど、私は大きな衝撃を受ける。
まさかあんなに綺麗で優しげな人がそんなことをするとは思えなかったからだ。
「お前を連れていけば呪いは解くと言ってるが、どーだかな……」
「なんでラグにそんなこと……。エルネストさんてどこにいるの?」
「海を渡った先の大陸のどこかだ」
「どこかって……」
「肝心なところを教えやがらねーんだよ、あの野郎は! いつも時間がねぇとかほざきやがって」
ラグが悔しそうに怒鳴る。
確かに、まだ会ったのは二度だけだがその度すぐに消えてしまった。幽閉されていると言っていたから、その関係なのだろうか。
「絶対楽しんでやがんだ。いつもヘラヘラと笑いやがって……胸糞悪ぃ!」
ブツブツと続けるラグ。
(ヘラヘラって……。あんな素敵な笑顔なのに)
と、ラグの視線に気付きギクリとする。
「簡単な治癒くらいは自分で出来るようにしとけよ」
立ち上がり向こうのベッドに戻りながらラグが言う。
そんなこと出来るかどうかわからなかったけれど私は曖昧に頷き、思い切って訊くことにした。
「ねぇ、ラグ」
「あ?」
「あの、エルネストさんのこと……なんだけど」
ベッドに仰向けになったラグに尻すぼみになりながら言う。
「あの金髪野郎、エルネストっていいやがるのか」
天井を睨みながら憎々しげに呟くラグ。
しかし声が高い分やはり迫力に欠けた。……本人には絶対に言えないけれど。
「ひょっとして、ラグのその呪いって」
「あの野郎にかけられたようなもんだ」
(やっぱり……!)
先ほどの二人の会話から薄々そうじゃないかと思ったけれど、私は大きな衝撃を受ける。
まさかあんなに綺麗で優しげな人がそんなことをするとは思えなかったからだ。
「お前を連れていけば呪いは解くと言ってるが、どーだかな……」
「なんでラグにそんなこと……。エルネストさんてどこにいるの?」
「海を渡った先の大陸のどこかだ」
「どこかって……」
「肝心なところを教えやがらねーんだよ、あの野郎は! いつも時間がねぇとかほざきやがって」
ラグが悔しそうに怒鳴る。
確かに、まだ会ったのは二度だけだがその度すぐに消えてしまった。幽閉されていると言っていたから、その関係なのだろうか。
「絶対楽しんでやがんだ。いつもヘラヘラと笑いやがって……胸糞悪ぃ!」
ブツブツと続けるラグ。
(ヘラヘラって……。あんな素敵な笑顔なのに)
と、ラグの視線に気付きギクリとする。