My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
「取調べまでここでおとなしくしているんだ」
そう言われ私は暗く狭い部屋に放り込まれた。
重い金属音がして向こう側から鍵を掛けられたのがわかる。
――鼻につく、酷いカビのにおい。
石壁で四方を囲まれたその部屋はどう見ても“牢屋”としか思えなかった。
出口は今入ってきた頑丈そうな鉄の扉と、天井近くにある小窓。
当然のようにその小窓は手を伸ばしても絶対に届かない位置にあって、そこから少しだけ淡いオレンジの光が漏れていた。
壁に取り付けられた小さな燭台以外、ベッドも椅子も何も置かれていない牢屋の中で私は少しの間呆然と立ち尽くす。
「トイレに行きたくなったら出してくれるんでしょうね……」
呟いた声が壁に冷たく反響して消えた。
ここはお城の中……厳密に言えばその離れにある、お城に比べたらとても簡素な造りの建物の地下だ。
お城はやはり西洋風のもので、その周囲はこの建物も含めぐるりと高く厚い塀で囲まれていた。
大きく立派な城門を抜け、間近でお城を見上げたときはその荘厳な佇まいに思わず口がだらしなく開いたままになってしまった。
「どうせなら観光で来たかったよ~」
長い溜息をつきながらとりあえずその場に座ることにする。
とにかく、今の状況を整理しなくては。
私は薄暗い地下牢の中で一人、頭をフル回転させた。
そう言われ私は暗く狭い部屋に放り込まれた。
重い金属音がして向こう側から鍵を掛けられたのがわかる。
――鼻につく、酷いカビのにおい。
石壁で四方を囲まれたその部屋はどう見ても“牢屋”としか思えなかった。
出口は今入ってきた頑丈そうな鉄の扉と、天井近くにある小窓。
当然のようにその小窓は手を伸ばしても絶対に届かない位置にあって、そこから少しだけ淡いオレンジの光が漏れていた。
壁に取り付けられた小さな燭台以外、ベッドも椅子も何も置かれていない牢屋の中で私は少しの間呆然と立ち尽くす。
「トイレに行きたくなったら出してくれるんでしょうね……」
呟いた声が壁に冷たく反響して消えた。
ここはお城の中……厳密に言えばその離れにある、お城に比べたらとても簡素な造りの建物の地下だ。
お城はやはり西洋風のもので、その周囲はこの建物も含めぐるりと高く厚い塀で囲まれていた。
大きく立派な城門を抜け、間近でお城を見上げたときはその荘厳な佇まいに思わず口がだらしなく開いたままになってしまった。
「どうせなら観光で来たかったよ~」
長い溜息をつきながらとりあえずその場に座ることにする。
とにかく、今の状況を整理しなくては。
私は薄暗い地下牢の中で一人、頭をフル回転させた。