My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
数十分前、確かに私は日本の高校にいた。
そこで楽譜を見つけて……その楽譜は先ほどの兵士に没収されてしまったが、気づいたらこの西洋風な街にいた、と。
見慣れない服を着た人々。そして日本もアメリカも知らないと言った兵士達。
先ほどから頭を過ぎる、まさかの嫌な予感。
「もしかして此処って、“異世界”とかって、やつ……?」
自分で言いながら軽く眩暈がした。
主人公がいきなり別の世界へ迷い込んでしまうという小説や漫画で良くあるストーリー。
でもこれは紛れも無い、今自分の身に起こっている確かな現実だ。
(あ、でも過去の世界ってことも考えられるかも)
どちらにしてもこんなこと俄かには信じられないが、というより信じたくは無かったが、今はとりあえずこれからどうするかを考える方が先決だ。
別の世界にしろ過去の世界にしろ、独り知らない世界に来てしまって今牢屋にいるという状況。どう考えてもこの先良いことが待っているとは思えなかった。
でも不思議と言葉は通じた。それだけが唯一の救いだった。これで言葉も分からなかったら、もう泣くしかなかっただろう。
いや、すでに十分に泣きたくはあったのだが、それよりもわからないことが多すぎて泣くに泣けなかった。
先ほど私を見て明らかに動揺していた街の人たち。銀に変わった自分の髪の毛。そして、
「銀のセイレーンって、何なの~?」
我ながら情けない声で叫ぶ。
そこで楽譜を見つけて……その楽譜は先ほどの兵士に没収されてしまったが、気づいたらこの西洋風な街にいた、と。
見慣れない服を着た人々。そして日本もアメリカも知らないと言った兵士達。
先ほどから頭を過ぎる、まさかの嫌な予感。
「もしかして此処って、“異世界”とかって、やつ……?」
自分で言いながら軽く眩暈がした。
主人公がいきなり別の世界へ迷い込んでしまうという小説や漫画で良くあるストーリー。
でもこれは紛れも無い、今自分の身に起こっている確かな現実だ。
(あ、でも過去の世界ってことも考えられるかも)
どちらにしてもこんなこと俄かには信じられないが、というより信じたくは無かったが、今はとりあえずこれからどうするかを考える方が先決だ。
別の世界にしろ過去の世界にしろ、独り知らない世界に来てしまって今牢屋にいるという状況。どう考えてもこの先良いことが待っているとは思えなかった。
でも不思議と言葉は通じた。それだけが唯一の救いだった。これで言葉も分からなかったら、もう泣くしかなかっただろう。
いや、すでに十分に泣きたくはあったのだが、それよりもわからないことが多すぎて泣くに泣けなかった。
先ほど私を見て明らかに動揺していた街の人たち。銀に変わった自分の髪の毛。そして、
「銀のセイレーンって、何なの~?」
我ながら情けない声で叫ぶ。