My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1
またも口からこぼれる溜め息。
「早く着きてぇのはオレも同じだ。明日はもう少し早く歩くぞ」
「うええぇぇ……」
我ながら情けない声を上げる。
昨日のようにマメが潰れるほどではないが、まるで自分のものではないように足が重かった。
明日にはこの疲れが取れているといいのだけれど、ベッドもないこんな地面に座ったまま寝て、それは到底無理な気がした。
(あれ? そういえば、)
ブゥがまだ起きてこないことに気がつく。確か昨夜は今頃の時間にはふよふよと飛んでいたはずだ。
ちらりとラグの髪の結び目を見ると、やはりまだ翼をたたんでオネム中のよう。もしかしたらいつもとは違う人の気配に気付いて警戒しているのかもしれない。
この世界でブゥのように人に懐くモンスターというのは珍しいのだろうか。
セリーンはまだその存在に気付いていないようだが、気付いたらどうなるのだろう。
まさかいきなり切りかかったりは――。
「っと、ちょっと離れるぞ」
急にラグが立ち上がって驚く。
「え? どこ行くの!?」
「……用足し」
半眼で言われて私は赤くなる。
「あれは、どこの術士だ?」
ラグの姿が草原の中に見えなくなってからすぐ、後ろから声を掛けられた。
「早く着きてぇのはオレも同じだ。明日はもう少し早く歩くぞ」
「うええぇぇ……」
我ながら情けない声を上げる。
昨日のようにマメが潰れるほどではないが、まるで自分のものではないように足が重かった。
明日にはこの疲れが取れているといいのだけれど、ベッドもないこんな地面に座ったまま寝て、それは到底無理な気がした。
(あれ? そういえば、)
ブゥがまだ起きてこないことに気がつく。確か昨夜は今頃の時間にはふよふよと飛んでいたはずだ。
ちらりとラグの髪の結び目を見ると、やはりまだ翼をたたんでオネム中のよう。もしかしたらいつもとは違う人の気配に気付いて警戒しているのかもしれない。
この世界でブゥのように人に懐くモンスターというのは珍しいのだろうか。
セリーンはまだその存在に気付いていないようだが、気付いたらどうなるのだろう。
まさかいきなり切りかかったりは――。
「っと、ちょっと離れるぞ」
急にラグが立ち上がって驚く。
「え? どこ行くの!?」
「……用足し」
半眼で言われて私は赤くなる。
「あれは、どこの術士だ?」
ラグの姿が草原の中に見えなくなってからすぐ、後ろから声を掛けられた。