ヤマタノオロチ


「分かった。では、一晩だけ考えさせてもらう。」


 言うしかなかった。


 でも、それは半分以上『了承した』と言っているようなもの・・・。


 王家に捨てられた俺が・・・再度王に・・・?


 しかも・・・倭の大陸一の須賀の王だと?


「ははっ・・・ありがたきお言葉・・・。では、このワノスケ明朝、またお伺いいたします。」


 その言葉を最後に、ワノスケたちはその場から去っていった。


「ふぅ・・・。」


 とりあえず、これで時間は稼げた。


 とはいえ、一晩か・・・。


 さて、どうしたものか?


 スサノオが頭を悩ましたところで・・・。


「追い返してよかったのか?」


 後ろから声が聞こえた。


「!」


 あわてて、顔を向けると、そこには、いつもの見知った顔が・・・。


「オロチ・・・聞いていたのか?」


 今さら、隠すことは出来ない。


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