ヤマタノオロチ
「はっ・・・仰せの通りに・・・。」
しかし、そんなスサノオウの意をくみする訳もなく、ワノスケは深々と頭を下げる。
「そして、那須の王の処刑はどうしますか?」
那須の国の王。
負けた国の王だから、殺されるのは当然。
殺すのは自分。
いや、実際に自分の手を下さないだけ、たちが悪い。
分かっている。
王とはそういうコトなのだ。
実際に先の戦でもまったくの被害がなかったわけではない。
死者も出た。
片腕をなくしたも者、片足を無くした者だっている。
その責任が自分にはある。
そのようなものを生んだ責任を負うのも自分なれば、敗者に捌きを下す責任も自分にはあるのだ。
・・・・・・・オロチよ・・・お前の言葉が重い。
人を殺すことに比べ、魚を殺すことの方が、どれだけ楽か・・・。
俺がそれだけの人を殺し・・・誰が喜ぶのだろうか・・・。