ヤマタノオロチ


「一週間の猶予を会えた後に、殺せ。」


 生かせば、反乱の火種となる。


 王を生かせば、再び那須の民は立ち上がる。


 また、戦になる。


 だから・・・王は殺す。


 これ以上の戦を生まないために・・・これ以上の死者を生まないために。


 許せ・・・とは、言うまい。


 恨めよ那須の王・・・。


 それもまた、王の仕事だ・・・。


「はっ!承知しました。」


 頭を下げるワノスケ・・・。


 たったコレだけの仕事だというのに、スサノオウは大きくため息をついた。


 剣を振ってない。


 敵とも顔をあわせた訳ではない。


 正座し、指一つ動かすことなく、俺は人を殺した。


 ため息の一つも出る。


 先日まではタダの釣り人。


 これが、どうしてこうなるのか・・・。


 スサノオウは、立ち上がり、館の出口に向かい歩く。



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