ヤマタノオロチ
後 四節
・・・・・・・・・結論から言おう・・・。
妖術使いは、目の前にいた。
当たり前だ。
オロチから国に訪れていたのだから・・・・・。
腰の荷物の上には八又の蛇が乗っかっている。
・・・可愛らしいな・・・。
心から思った。
だが・・・。
「なんと、恐ろしい蛇だ。」
「あのような、化け物を使いこなすとは・・・。」
後ろのお供から聞こえてきたのは、そんな言葉。
木々に囲まれて暮らした経験のない者たちは、それはそれは恐ろしい化け物のように映ったらしい・・・。
「オロチ・・・。」
「スサノオウ・・・。」
あれほど望んでいた、再会。
だが・・・誰がこのような形の再会を望んでいただろう。
ナゼ、俺はコイツに酒を用意していない?
なぜ、俺はこの方に、魚を用意していない?
なぜ、俺はあなた様に剣を向けている?
これが・・・王なのか?
これが・・・王のさだめなのか?