ヤマタノオロチ


「そのような戯言を!」


 役人がまた口を挟むが・・・。


「まて!」


 止めたのは、スサノオウだった。


「その話は・・・本当だな?」


 この言葉を出すのが精一杯。


 もちろん、最初から疑ってなどいない。


 オロチが・・・わが師が嘘をつくはずがないのだ。


「嘘ついて、どうするんだよ?俺だって魚が釣れなくて困っている・・・と言っただろう?」


 自分も困っているのに、嘘ついてどうするか?


 そう言いたいのだろう。


「・・・・・分かった。」


 言うと、スサノオウはオロチに向けた剣を鞘に収める。


「王!正気ですか?やつは妖術使いですぞ!」


 お供がそんなコトを口にするが・・・。


「だったら、あいつが妖術を使ったところを見た者がいるのか!」


 怒鳴り声を上げるスサノオウ。


 その気力に押され、後ずさるお供たち。


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