ヤマタノオロチ



「それも心配ない。それより、ワノスケすまなかったな・・・俺のワガママを通してもらって。」


 本来、王が一人で旅立つなどありえない。


 最低でも、お供が数人必要だ。


 だが・・・どうしても一人で向かいたかったのだ。


 邪魔されたくなかったのだ。


 父との再会を、母との再会を・・・師との杯を・・・友との、晩酌を・・・。


 ・・・・・・・どうせ・・・コレが最後なのだから・・・・。


「聞き入れなければ、王座を下りるといわれてしまえば、いうコトを聞かざるを得ません。それに、わが王の実力は、私が一番よくわかっております。期待していますぞ。」


 ・・・何をだよ?


「あぁ・・・朗報を待っていろ。」


 それだけを口にしてスサノオウは旅立っていった。


 わずか、一日で着けるにもかかわらず、もう何年と帰っていない、自分の故郷へ向け・・・。


 酒と剣をもって・・・・・・・・。

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