ヤマタノオロチ
「久しぶりだな・・・オロチ・・・・・。」
その再会は、数年ぶりに果たされた。
あの頃と何一つ、変わらない住まい。
唯一、違うといったら、こいつの傍に、八又の蛇がいることぐらいだろうか・・・。
うむ・・・はやり、可愛らしい・・・。
なぜ、誰が恐ろしいと口にするのか?
「・・・・・・・・・・・一人か?」
オロチは、スサノオの姿を見て、驚いた声を上げる。
「どうした?俺が一人だと、珍しいか?」
「当たり前だろう?一国の王が・・・こんなところに一人でなど・・・」
まぁ、そうだろうな・・・。
普通は、考えられることではないかもな・・・。
「細かいことは気にするな・・・酒を持ってきたんだ。呑むだろう?」
言うと、スサノオは持ってきた酒瓶をオロチに差し出す。
「・・・・・・・・そうだな。呑むか・・・・。」
あぁ・・・7年の付き合いと言うのは、いかに辛いことだろうか・・・。
俺を育てた男はどれだけ偉大だというのだろうか・・・。
スサノオはオロチの声と目ですべてを悟る。
コイツは・・・・・・気がついたのだ・・・。
俺が・・・ここに何しに来たのかを・・・。
そして・・・それを理解しながらも、こいつは杯を用意する。
・・・どこまで偉大だというのだろう・・・。
俺は・・・何と言う男に育てられたのだろう・・・。