ヤマタノオロチ


「お前だって、いい相棒を捕まえたじゃないか?」


 脇にいる、八又の蛇を眺めながら、そんな言葉を口にする。


「可愛いだろう?名前こそないがな・・・。」


 自慢げに八又の蛇の頭をなでるオロチ。


 あぁ、確かに可愛らしい。


 なぜ、こんなに可愛いのに、化け物と呼ぶ?


 なぜ、こんなものを従えていただけで、誰も彼もが、コイツを妖術使いに仕立て上げる。


 ・・・・・・・間違っているのは、どこだ?


 お前か?民か・・・


 それとも・・・・・・・俺か・・・?


 教えてくれ、オロチ・・・。


 わが師・・・オロチよ・・・・。


「つけてやれよ・・・かわいそうに・・・。」


 酒を飲みながら、ハハッ・・・と笑う。


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