ヤマタノオロチ


「いいんだよ。俺に名づけの才はない・・・・・・・・・・・・それに・・・。」


 それに・・・・・・・・・。


「・・・もう、飼い主がいなくなるのに・・・。」


 ・・・やめろ・・・。


「名前をつけるなど・・・。」


 やめてくれ・・・・。


「コイツが、可愛そうだろう?」


 ・・・・・・・・・・あぁ・・・・・。


 ・・・神よ・・・・・・・・。


 私は目で見たもの以外は信じない。


 だから、神も信じない。


 だけど・・・それでも・・・このときばかりは、祈りたいのです。


「気がついていたのか?」


 どうか・・・


 できることなら・・・。


「お前を育てたのは、誰だと思っている?」


 この男を生かす道を・・・。


 わが師を、父を、母を・・・。


「クシナダがな・・・俺の妻が病気でな・・・医者のいうコトには『呪い』らしい・・・」


 そして・・・わが友を・・・・・・。


「そうか・・・・・。」


 生かすことが出来るのなら・・・


「オロチ・・・頼む・・・言ってくれ・・・あの時みたいに・・・。」


 私は何でもします。


「何をだよ・・・?」


 どうか・・・・・神よ・・・・・・・。


「『俺じゃない』・・・と・・・。」


 神よ・・・・・・・・・。


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