ヤマタノオロチ


「このスサノオ・・・あなた様に育てられ、大変幸せでした。あなたに育てられ、あなたと共に暮らせたこと、本当に、本当に幸せでした!!」


 どれだけ言っても、言葉が見つからなかった。


 涙だけがあふれ出て、止まらなかった。


 酒を酌み交わしたかった。


 釣り人として、一生を終えたかった。


 王座になんて興味はなかった。


 ただ、気の許せる・・・安息の日々が過ごせれば・・・。


 いつまでも過ごせれば・・・・・・。


 それだけで、十分だった。


「王が蛇に頭を下げるな・・・笑いものだぞ。」


 笑われてもかまわなかった。


 この程度の笑いなど・・・コレから自分が背負う罪に比べれば、本当に・・・本当に些細なことだった。


「分かってる・・・だが・・・すまない・・・本当にすまない・・」


 あやまり続けても、あやまり続けて涙が溢れ・・・。


 それでも、気が治まらなかった。





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