ヤマタノオロチ
終節
昔々、ヤマタノオロチと言う、それはそれは恐ろしい化け物が暮らしておりました。
その化け物は、毎年一人ずつ村娘を生贄にささげないと、村を滅ぼすといっている恐ろしい怪物です。
そんな村にある日、スサノオという名の、イザナキとイザナミの両親を持つ、神の子が訪れます。
スサノオは、泣きじゃくる村の親娘を見て、たずねました。
「どうして、泣いているのだ?」
村の娘の親は答えます。
「今宵、この子がヤマタノオロチの生贄にささげられるのです。」
その娘は大変可愛らしく、名をクシナダヒメと申しました。
その娘に一目ぼれしたスサノオは、言います。
「何と言うことだ。そのような恐ろしい化け物は、私が退治して見せよう。」
スサノオは、クシナダヒメの親に八つの樽と、たくさんの酒を用意するように命じました。
そして、自分はクシナダヒメと同じ格好をして、じっとヤマタノオロチの巣の前で待ち構えていました。
そして、その夜八つの頭をもつ恐ろしい蛇、ヤマタノオロチは現れます。
ヤマタノオロチは、クシナダヒメよりも先に酒に眼が行きました。
酒が好物だった、ヤマタノオロチは、コレは良いと、それぞれの酒樽に頭を突っ込み、酒を飲み干しました。
クシナダヒメの親が用意した酒はとても美酒で、ヤマタノオロチは酒を飲み干し、上機嫌に酔っ払ってしまいます。
そこでいよいよといわんばかりに、女装したスサノオが現れ、一気にヤマタノオロチの八つの頭を切り落としてしまいました。
こうして、村を襲い続けた恐ろしい化け物、ヤマタノオロチは退治されたのです。
スサノオはクシナダヒメを妻へと娶り、二人はいつまでも幸せにくらしましたとさ。
めでたし・・・めでたし・・・・・・・・。