Buenas noches
「じゃあさ〜」

エルヴィンは人差し指で聖奈の唇に触れた。

「キスしてよ!おはようのキス!してくれたら起きるよ」

「えぇ!?」

朝からそんなことを言われ、聖奈は顔を赤くする。胸が急にときめき始め、自分を捕まえて離さないのは「恋人」なんだと聖奈は思い出す。

「ほら、早く〜」

聖奈を急かし、エルヴィンは目を閉じる。男性にしては長いまつ毛に、聖奈はドキッとした。

「ッ……Buenos dias(おはよう)」

そう言い、聖奈は目を閉じてエルヴィンにキスをする。聖奈は優しく触れた唇に満足し口を離そうとしたのだが、エルヴィンが聖奈の頭を後ろから押さえるため唇はくっついたままだ。

「……んん!」

しばらくキスをした後、エルヴィンは意地悪な目をして言った。

「Buenos dias(おはよう) Es lindo hoy tambien(今日もかわいいね)」

「No te metas(からかわないで)」

聖奈は赤い顔をエルヴィンからそらす。エルヴィンはにこにこ笑っているのだろう。

忙しい一日が、今日も始まる。
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