Buenas noches
何十分もかけ、聖奈はお風呂の掃除を終えた。最近は忙しくて細かいところまで掃除できなかったため、聖奈は満足しながら「エルヴィン、終わった?」と声をかける。

「ごめん!忘れてた〜」

のん気に返ってきた言葉に、聖奈は「何やってたの!?」と呆れる。

「アルバム見てた。なんか懐かしくて」

エルヴィンが笑いながらアルバムを手にする。聖奈もエルヴィンの隣に座った。

「これ、サグラダ・ファミリアに行った時の写真?」

聖奈が、スペインに来たばかりの頃の写真がたくさんある。エルヴィンが「懐かしいでしょ?」と微笑む。

他にも、アルハンブラ宮殿やグエル公園、アルカサルに行った時の写真もあった。

「また行きたいね」

聖奈が言うと、エルヴィンも「そうだね」と頷く。部屋にアルバムをめくる音が響いた。



昼食は、エルヴィンが作ってくれた。魚介類がたっぷりのおいしそうなパエリアだ。

「Se ve delicioso(おいしそう)」

聖奈はふわりと漂ういい香りを吸い込む。エルヴィンの作る料理は絶品だ。
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop