偽婚


ひとりで帰宅の途につきながらも、考えてしまうのは、先ほどのこと。



私は足を止め、携帯のスケジュール帳を確認する。


生理予定日から、2週間も経っていた。

元々、不順だったため、特に気にはしていなかったが、さすがにこれだけ遅れたことはない。



まさか、子供ができてるとか?



行為はしているし、思い当たる節はある。

しかし、あまり食欲がない程度だったので、夏バテだと思っていた。


そんな、まさか、でも。



今まで暑かったのに、急に背筋に冷や汗が伝い、手が震えた。


とにかく確かめなきゃ。

私は急いできびすを返し、近くにあったドラッグストラに入った。



一目散に、妊娠検査薬を購入する。


そして、向かいにあったコンビニのトイレを借りた。

ずっと震えが止まらなかった。



しばらくの後、妊娠検査薬の小窓にはブルーのラインが浮かび、私が妊娠していることを確定的なものにした。

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