暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「煌輝くん。なぜここにしょうもない物理学の教師が?」
「元幹部の人でね。一応信頼してるよ」
「しょうもないって何?ねえ、なんで一応なの?」

後ろでなんか言ってる先生は無視。

「それで、本題に入るんだが」
「はい、何でしょう?」

暴走族は嫌いだけど、助けてもらったのは事実ですし。
何か返せるものなら返そうと思います。

「俺の…俺たちの」
「……」

「姫になってくれ」

「………は?」

開いた口が塞がらないとは、まさにこのことです。
言っている意味がよくわからないのですが?

「返事は、焦らなくていいから。桜夜のこと知って、じっくり考えてみて?」
「…すみません。お断りします」
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