暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「…菜乃はどうしたいの?」

隣からそんな声が聞こえてきた。

「私は…」
「帰りたいの?帰りたくないの?」
「帰りたくはないです」
『なんで!?』
「じゃあ、これからどうするの?」
「……」

そう、そこだ。
お金とかカード諸々は全部家で管理されている。
高2じゃ、せいぜいバイトしか出来ないけど。
でもそれも、親の同意とかいるんでしょうか?

「菜乃」

真剣に見つめてくる煌輝くん。
その瞳でわかってしまった。
煌輝くんが望んでいること。
この人は、私が望んでないことはしてほしくないんですね。
自意識過剰かもしれないけど…私のこと大事に思ってくれてるんですね。

「父さん」
『お父様!』
「私は…この人たちと一緒にいたい」
『突撃ィ!!』
「人の話を聞いて!」

問答無用で突撃命令を出した父さん。
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