暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
何かを察したのか、背筋をピンと伸ばす菜乃。
そんな動作さえ、いちいち可愛い。
こんな可愛くて、今までどうやって生きてこれたんだろ…
あ。
「菜乃ってさ、付き合っている人とかいるの?」
家までの帰り道、そんなことを話す。
まあ、誰かわかったところでそいつは絶対俺が消す。
「付き合っている人はいませんが、婚約者はいますよ。父さんが勝手に決めていて」
「へえ。そいつ、誰?」
「えっと…確か、えっと……すみません、思い出せません」
「……」
人に会ったら、すぐに名前と顔を覚えられる菜乃が、思い出せない?
と、言うことは。
「……すごく、気に食わなかったんだね?」
「はい。忘れたいなーって思ってたら、本当に忘れてしまいました」
菜乃が気に入らない奴って、どんな奴なんだろ。
そんな動作さえ、いちいち可愛い。
こんな可愛くて、今までどうやって生きてこれたんだろ…
あ。
「菜乃ってさ、付き合っている人とかいるの?」
家までの帰り道、そんなことを話す。
まあ、誰かわかったところでそいつは絶対俺が消す。
「付き合っている人はいませんが、婚約者はいますよ。父さんが勝手に決めていて」
「へえ。そいつ、誰?」
「えっと…確か、えっと……すみません、思い出せません」
「……」
人に会ったら、すぐに名前と顔を覚えられる菜乃が、思い出せない?
と、言うことは。
「……すごく、気に食わなかったんだね?」
「はい。忘れたいなーって思ってたら、本当に忘れてしまいました」
菜乃が気に入らない奴って、どんな奴なんだろ。