暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。

「あ、私、先生にそんな気持ち一切ないので、勘違いをさせてしまって、ごめんなさい」
「だから、違くて…」
「あの、本当に、そういう気持ちないんです。私、その……帰ります！さよなら！！」

そう言って、一気に駆け出して行ってしまった菜乃。

「いつまでそんなとこで見てんの？先生。悪趣味だよ」
「あちゃー、バレてたんだ」
「当たり前でしょ。そんなのにも気づけなくて、この世界生きてらんない」
「ま、そりゃそうか」

後ろの電柱から、ひょっこりと出てくる先生。
今時、もうひょっこり◯んは、流行らないと思うな。

「それにしてもいいの〜？菜乃ちゃんに無理やりキスなんかしちゃってぇ」
「……菜乃は、それでも気付いてくれなかった」