暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
百合さんは、ちょっとドジで可愛くて、正直な子なのですよね。
婚約者様が恋しちゃうのもわかります。

「百合ーーー!!!」
「わ、皇さま!」
「大丈夫?!どっか怪我してない?!」
「大丈夫ですっ」

転んだ百合さんを助け起こしながら、今しがた駆けつけてきた婚約者様は、きっと私を睨みつける。

「百合のこと、転ばせただろ!」
「はぁ……」
「溜息をつくな!」
「証拠はおありですか?」
「百合がお前の真横でこけただろ!」
「あの、皇さま、私は勝手にこけただけで…」

本当にこの人はイライラしますね。
< 38 / 90 >

この作品をシェア

pagetop