暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「そうだったんですね。心強いです」

まあ、そう言ってくれるのは嬉しいんですが、今も現在進行中でストーカーされてるんですよ。
どこかの高校のダメな教師ですが。

「それはそうと、なんでうちの総長はずっと黙ってるの?なんか不機嫌そうだし」
「それはたぶん、喋れないくらいお腹が痛いんですよ」

迅くんと私のせいです、なんてことは口が裂けても言えない。

「……帰る」
「わかった!総長!トイレに行きたいんだな!」
「「……」」

思ったことでも、言っていいことと悪いことがありますよ、迅くん。
ほら、煌輝くんの表情がどんどん険悪に…

その日は、煌輝くんはすごく不機嫌そうにしていて。
私と迅くんは、その詳しい理由もわからないまま、家に帰っていった。
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