暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「……いえ、お気になさらず」

あ、あれ?
なんかもっと不機嫌になってる。
顔は笑ってるけど、目が笑ってない。
あと、オーラがドス黒い。

「遠慮しないで!さあさあ!!うちは近くなのよ!」

この人、気付いてないんでしょうか?
それとも、分かっているけど帰したくない…?
どちらにしろ、このままお持ち帰りしたいのでしょう。

それでは私は邪魔でしょうから、さっさと帰りますか。

「あの、では私はこれで」
「なんで!?私はあなたに来てもらいたいのよ?」
「え?煌輝くんではないのですか?」
「まあ、カッコいいって言えばカッコいいけど、私はあなたのようなクールな子が好きなのよ!」
「……」

そっち系でしたか。
私の周りに多いですね、こうゆう人。
どっかの総長とか、この小顔の美人さんとか。

そのあと、無理矢理連れられ美人さんの家にお邪魔させていただいた。
解放されたのは、それから1時間くらいのことで。

結局、煌輝くんの言いたかったことってなんだったんでしょう?
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