暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「…いかがでしょうか?桜井先生」
「いや、もっと健康的なやつを……」
「では、人体リアル解剖showなどどうでしょう」
「なんでそんなにグロいのを!なんか俺悪いことした!?」
「日々の報復です。呪います。一生」
「ひっ!」

先生が青ざめていくのを見て、クラスのみんながクスクス笑っている。

「せんせー。俺さんせーい」
「私も賛成しますわ!」

続々と賛成意見が出て、このクラスの出し物はお化け屋敷ならぬ報復屋敷に決まりました。
新たな四字熟語ですね。

❄︎❄︎❄︎❄︎❄︎

「……ていうことをですね、今日話し合ったのですよ」

高校からの帰り道。
いつも通り迅くんと煌輝くんと並んで帰る。
煌輝くんはまだぶすっとしたまんまですが。

「へえ、報復屋敷……行ってみたいな!」
「ふふ、ぜひ来てください」
「菜乃はなんの役やるんだ?」
「私はメインの主役をやるんですよ!『サナコさん』ですっ」

今回はウキウキしてるんですっ、私!
だって男子から逃げまわらなくていいし、それに人を脅かすの、大好きなんです!

まあ、そのことを話すと大抵の人が引くので、秘密ですが。
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