暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
下ろされたのは、自分の机の上。
座っているからか、いつもより煌輝くんと顔が近く感じる。

「あ、あの……?」
「だーかーらー!その上目遣いダメ!!」
「え?」
「そのぽやんとした顔もダメ!みんな菜乃に惚れちゃうじゃん!!」
「惚れ…?」
「あーもう!菜乃は自分が可愛いってこと自覚して?」
「…ありがとうございます」

お世辞だとしても、可愛いって言われると嬉しいです。

「菜乃、お世辞だと思ってない?」
「え?違うんですか?」
「違う。菜乃はほんっとに可愛いんだから」
「そんなお世辞言われると、私でも照れます…」
「だから、お世辞じゃないんだって!どうしたらわかる?」
「どうしたもこうしたも…」

お世辞を使う練習を私でしないでほしいです。
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