暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「じゃ、菜乃、行こっか。楓達が待ってるから」
「はい」

あなたのそばは気持ちがいいです。
もう少しだけこうしていたい、と願ってしまうほどに。

私は、あなたを傷つける存在でしかないでしょう。
それでもいいというのなら。
私は……

ううん。きっといいとは言わないでしょう。
私は、ただただ君に。

恋したかっただけなんです。

❄︎❄︎❄︎❄︎❄︎

「あの女可愛くね?」
「あ?」
「あの黒髪の」
「そうだなあ…」

可愛い。確かに可愛かった。

(あの女…ほしいいいいいい!!)

❄︎❄︎❄︎❄︎❄︎

この時の私は、気付かなかったんだ。
自分に危機が迫っている、ということを。
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