暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「黒髪でスラッとしとって、めちゃくちゃ美人な子や。長女って感じがしたな」
「……」
「一目惚れやった…」

長女…煌輝くん…

「名前教えろや」

どうしましょう。
手は後ろで拘束されてて使えませんし…
かと言って、それが煌輝くんだと言えば、煌輝くんが恥をかいてしまいます。

「もしかして…やっぱ、男なんか?」
「…!!??」
「校舎から出てきたのを見たっていう者がおるんけ。そいつが、あんたは男といたってゆうとる。本当か?」
「違い、ます…」
「せやったら、名前くらい教えてもええんちゃう?」

こ、困ります!
ここで口が裂けても、煌輝くんとは言えません!
< 87 / 90 >

この作品をシェア

pagetop