暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「なあ、聞いとる?」
「…名前を知ってどうするんですか?」

まさか、住所を突き止めて、嫌がらせするとか…!?

「いや別に?知りたいだけやけど」
「は…?」
「……?」

なんか、この人、調子狂いますね…。

「あなたの名前は?」
「わい?わいは猫田(ねこた)みけ」
「……」

猫田みけ…猫がたくさんいる名前ですね。

「では猫田くん。こういうのはどうですか」
「……?」

手は使えない。でも、足は使える!

「あなたが私を負かせたら、教えるというのは…!!」

言い終わると同時にかかとを猫田の頭に垂直に振り落とす。そして、その反動で起き上がる。

見ていた男たちが一斉に飛び込んでくる。
人数は、20人くらい。
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