暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
一人では敵わないけど。
二人なら、勝てるかもしれない。

「かえでっ…!!」
「お安いご用ですよ、菜乃様」

そう、楓がいるから。

二人で一気に敵を倒していく。
楓は、私のSP。

「…いや〜、見事にチンピラでしたね」
「用事は終わったんだから、とっとと消えて下さい」
「菜乃様が呼んだのに!?」
「……」
「はいはいわかりましたよー」

無言で睨みつけると、楓はどこへともなく姿を消した。

…そういえば、縄解くの忘れてました。
どう解こうかと考えていると。

「………菜乃?」

声をした方を振り返ってみると。

「…み、見ましたか、煌輝くん⁈」

いつからいたのか、息を乱した煌輝くんが見ていた。
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